カテゴリ:難読漢字/植物 │ 目安読了時間:4分
はじめに
「躑躅」——この漢字、パッと見て読める方は少ないのではないでしょうか。私もこの字を初めて見たとき、「足へんが2つも並んでいるし、画数も多そうだし、絶対読めない」と思いました。ところが正解を知ると「えっ、あの花のこと!?」と驚く人がほとんどです。「躑躅」は難読漢字の代表格で、画数は2字合わせて34画。字面だけ見れば一見読めない難しさですが、実は春から初夏にかけて公園や街路を彩る、とても身近なあの花の名前なんです。日本に住む人なら誰もが一回は見たことがあるんじゃないでしょうか。本記事では「躑躅」の正しい読み方・意味・意外な語源、さらにセットで覚えたい植物の難読漢字5選までを紹介します。
「躑躅」の読み方と意味
- 読み方:つつじ
- 意味:ツツジ科ツツジ属の低木の総称。春から初夏にかけて、赤・白・桃色・紫などの漏斗状の花を咲かせる。
- 『デジタル大辞泉』(小学館)にも見出し語として収録。
📝 メモ:「躑躅」を分解すると、どちらも「足」へんがついています。実は「躅」は単独で「あしあと」を意味する漢字で、足踏みするような動作を表す字が2つ重なってできているんです。植物の名前なのに、由来をたどると「足」が出てくるのが面白いところです。
由来・語源
「躑躅」の二字は、中国古典では「たちもとおる(立ち止まってためらう)」の意をもつ熟字でした。一説に、羊がこの花を食べると毒にあたってふらふら足ぶみすることから、この字が当てられたといわれます。なお「つつじ」の和名の語源については諸説あり、辞書でも「語源未詳」とされることがあります。
📝 メモ:ツツジの仲間には毒を持つ品種(レンゲツツジなど)が実際にあります。蜜を吸ったり花を口にしたりするのは避けたほうが安全です。「羊が酔ってふらふらする」という由来説、あながち大げさな話でもないのかもしれません。
使い方・例文
- 満開の躑躅が、公園を薄紅に染めていた。
- 躑躅の花言葉は「節度」「慎み」といわれる。
- 車窓から見える躑躅の群生に、春の終わりを感じた。
- 躑躅が燃えるように咲き誇る五月、旅に出たくなる。
- 近所の躑躅が見頃になったので、写真を撮りに行ってきた。
セットで覚えたい植物の難読漢字5選
① 皐月(さつき)
ツツジ属の近縁種で、旧暦五月に咲くことからこの名。盆栽としても高い人気を誇ります。「五月」と書いて「さつき」と読む和風月名と同じです。
② 石楠花(しゃくなげ)
ツツジ科の常緑低木。高山に咲く華やかな花で、「花木の女王」とも称されます。「石南花」と書かれることもあります。
③ 紫陽花(あじさい)
梅雨を代表する花。漢字は唐の詩人・白居易の詩に由来するとされ、日本で「あじさい」の訓が当てられました。
④ 木蓮(もくれん)
春先に大輪の花を咲かせる花木。「木蘭」とも書き、白木蓮(はくもくれん)・紫木蓮(しもくれん)などの種類があります。
⑤ 牡丹(ぼたん)
「花の王」と称される豪華な花。中国原産で、古くから日本の絵画・工芸のモチーフになってきました。
難読植物漢字 一覧
| 漢字 | 読み方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 躑躅 | つつじ | 春〜初夏、公園や街路でおなじみ |
| 皐月 | さつき | ツツジ属。盆栽でも人気 |
| 石楠花 | しゃくなげ | 高山の常緑低木。華やか |
| 紫陽花 | あじさい | 梅雨を代表する花 |
| 木蓮 | もくれん | 春先に咲く大輪の花木 |
| 牡丹 | ぼたん | 「花の王」と称される |
よくある質問
Q. 「躑躅」はなぜこんなに画数が多いのですか?
A. 「躑」「躅」はどちらも「足」へんに複雑な作りが組み合わさった漢字で、それぞれ12画と20画、合わせて34画になります。日常生活で書く機会はほとんどありませんが、読めるだけで十分「物知り」な印象を与えられます。
Q. ツツジとサツキの違いは何?
A. どちらもツツジ科ツツジ属の植物で、近縁種です。一般的にツツジは4〜5月、サツキは5〜6月と、サツキのほうが少し遅れて咲きます。葉の大きさや花の咲き方にも細かな違いがあります。
Q. 「躑躅」以外にも、足へんの植物関連の難読漢字はある?
A. 植物名の難読漢字は「足へん」に限らず、「艸(くさかんむり)」や「木へん」を中心に数多く存在します。たとえば「蒲公英(たんぽぽ)」「百日紅(さるすべり)」なども有名な難読漢字で、由来を調べてみると漢字一字一字に意味が込められていることが分かります。
まとめ
「躑躅」は読めれば一目置かれる難読漢字です。植物の名前には難読漢字が多く、覚えておくと俳句や手紙、さらにはSNS投稿でも表現の幅が一気に広がります。春から初夏にかけては「皐月」「石楠花」「紫陽花」といった仲間の字も街で見かける季節。散歩のときにふと足元や街路樹に目をやって、「これは何て読むんだろう」と調べてみるのも、ちょっと楽しい習慣になるかもしれません。ぜひセットで覚えてみてください。
出典
- 『デジタル大辞泉』小学館
- 『日本国語大辞典』小学館
- 『漢字源』学研

