【和風月名】一月から十二月までの月の異名一覧|由来と使い方

時間の表現

カテゴリ:和語・雅語/時間の表現 │ 目安読了時間:5分

はじめに

日本には旧暦に由来する美しい月の異名「和風月名(わふうげつめい)」が伝わっています。一月の「睦月」から十二月の「師走」まで、それぞれ自然・農事・祭事を写し取った情緒ある名前で、手紙の時候挨拶や俳句で今もなお愛用されています。本記事では、1月から12月までの和風月名の読み方・意味・由来を一覧で解説し、現代での活用法まで紹介します。

和風月名一覧表

和風月名読み方主な由来
一月睦月むつき親族が集まり睦み合う月
二月如月きさらぎ寒さで衣を更に重ねる「衣更着」の説など
三月弥生やよい草木が「いやおい(いよいよ生い茂る)」月
四月卯月うづき卯の花(ウツギ)の咲く月
五月皐月さつき早苗を植える「早苗月」の略など
六月水無月みなづき田に水を張る「水の月」の説
七月文月ふみづき七夕に詩歌を献じる「文被月」の説
八月葉月はづき木の葉が落ち始める「葉落ち月」の説
九月長月ながつき夜が長くなる「夜長月」の略
十月神無月かんなづき神々が出雲に集まり諸国に神がいなくなる月
十一月霜月しもつき霜の降りる月
十二月師走しわす師(僧侶)も走り回る忙しい月の説

※ 和風月名の由来には複数の説があり、上表は最も広く知られる説を記載しています。

月ごとの解説

一月:睦月(むつき)

正月に親族や縁者が集まり、互いに「睦(むつ)び合う」月とされます。新年の挨拶・家族団らんの象徴。時候挨拶では「睦月の寒風厳しき折」などと用います。

二月:如月(きさらぎ)

寒さに衣を更に重ねる「衣更着(きぬさらぎ)」が語源とする説が有名。他に「気更来(きさらぎ)」など諸説あります。

三月:弥生(やよい)

「弥生」は「いやおい」が転じた語で、草木が次第に生い茂る季節を表します。春の代名詞として現代でも女性名に使われるほど親しまれています。

四月:卯月(うづき)

卯の花(ウツギ)が咲く月。「卯」は十二支の四番目であることからとも。

五月:皐月(さつき)

田植えの時期で、「早苗月(さなえづき)」の略とされる説が有力。「皐」の字は「水辺・沢」を意味します。

六月:水無月(みなづき)

「無」は「の」の意の連体助詞とされ、「水の月」すなわち田に水を引く月とする説が有力。旧暦六月は梅雨明けの頃にあたります。

七月:文月(ふみづき)

七夕に詩歌を献じる「文披月(ふみひらきづき)」「文被月」の略などの説があります。

八月:葉月(はづき)

旧暦八月は現在の9月頃にあたり、木の葉が色づき落ち始める「葉落ち月」が語源とする説が有力。

九月:長月(ながつき)

「夜長月(よながつき)」の略。秋の夜長を象徴する月です。

十月:神無月(かんなづき)

全国の八百万の神々が出雲大社に集まり、諸国では神が不在になる月と伝えられます。反対に出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。

十一月:霜月(しもつき)

霜が降りる月。旧暦十一月は現在の12月頃にあたり、冬の深まりを告げます。

十二月:師走(しわす)

師(僧侶)が各家を回ってお経をあげるため走り回る、忙しい月とする説が有名。「為果(しは)つ」(年の終わり)が語源とする説もあります。

現代での使い方

時候挨拶での活用

  • 「睦月の寒風厳しき折、いかがお過ごしでしょうか。」
  • 「弥生の陽気ここちよき頃となりました。」
  • 「神無月の空、澄みわたる季節を迎えました。」

俳句・短歌

和風月名は季語としても機能し、句会や短歌集でも頻繁に用いられます。

商品名・作品名での活用

和菓子・日本酒・化粧品・小説の章タイトルなど、和風月名は現代でもブランディングに多用されています。手紙や日記のタイトルに使うだけでも、和の情緒が一気に立ち上がります。

豆知識:旧暦と新暦のずれ

和風月名は旧暦(太陰太陽暦)に基づくため、現在の新暦とは約1ヶ月の季節感のずれがあります。たとえば「葉月」は新暦8月ではなく9月、「霜月」は11月ではなく12月の季節感に近いのが本来。この点を知っておくと、俳句・古典を読む際の理解が深まります。

まとめ

和風月名は、古代から続く日本人の季節感と宗教観・農耕観を凝縮した文化遺産。一覧で覚えておくだけで、俳句・手紙・現代文学まで、日本語表現の奥行きが一段と増します。月に応じた言葉を選ぶという繊細な感覚こそ、日本語の美しさの核心のひとつです。

出典

  • 『デジタル大辞泉』小学館
  • 『日本国語大辞典』小学館
  • 『広辞苑』岩波書店

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